◇We’ll be together
ジャニーさんが自ら作詞した数少ない曲。
初めてそれを知った時には驚きました。
だって、鬼才と呼ばれる彼が
アイドルプロデュースやショー演出で見せる
人々を圧倒させるような奇抜さや眩しい程のの華やかさが
あまりにも影を潜めているから。
素朴で、純粋で、穏やかな詩です。
ポップスの歌詞には珍しい
ですます調の語り口の手触りがとても柔らかくて、
それがまたこころにすっと入ってくるというか。
今日の別れを惜しんで流れてしまう涙や、
通りすぎた季節にどうしようもなく後ろ髪引かれる日。
それらを否定せず、受け入れて、
そのうえでふんわりと暖かい毛布でくるんでくれるような優しさと、
ぎゅっと手を握りまた会えるからと囁いてくれるような
頼もしさがあります。
「肩をたたかれ振り向いてもそこに落ち葉が舞うだけ」
「ノックでドアを開けてみてもそれは春風のいたずら」
どこかでまた会えたらなぁと思う人、
誰にでもひとりはいるんじゃないかなぁ。
人だけじゃなくて、過ぎた思い出や失くしたもののすべてや。
普段見えない場所にしまってあるそういう期待を
何かをきっかけにふと思い出してしまった時の
やり場のない切なさやむなしささえも
引き受け、抱きしめて、愛おしむように生きていく日々が
「別れた時より素晴らしい場面」に繋がっていくのかもしれません。
end.