pua nānā lā

おひさまのような花

◇この星のHIKARI


すっきりと甘い感情を歌った歌詞と爽やかで耳触りのいい曲調…

例えるならガラス瓶入りの透きとおったサイダーのようで、
なんだか無条件にきゅんとしてしまうテイストです。


なんだか気になるのは、
初々しさの中に見え隠れするちょっとした「余裕」。

 

瞳の奥にまだ僕はいない 歯がゆさも抱きしめながら

 

なんて、始まったばかりの恋に焦るような心情の中では
なかなか言えないような気がしませんか?


ずっとすぐそばで生きてきて、
お互いのことを見てきて、見守ってきて、知りすぎていて。

だからこそうまく詰められない距離感…

 

こうしている間に、誰かが君の前に現れてしまったら?

でもそんなことを考える時でさえ心のどこかにあるのは、
「君を守れるのは僕しかいない」という自信。

そんな幼馴染のような関係性を想像しながら読みました。

 

もう僕のそばにいたらいい


心の中で握りしめながら、なかなか口に出せない「僕」。

この台詞、一見なんだかぶっきらぼうで
もっと、好きだよとか愛してるとか、言えないの?なんて
女の子ならついつい思ってしまいそう。


でも、それじゃあそもそも、「好き」ってどんな気持ち?

あぁ、自分「恋」をしているなぁと思うのって、
一体どんな時でしょうか。

 

  もっと知りたい、近づきたい、触れたい。

ぱっと浮かんだのはそんな欲求とニアリーイコールの感情。

 

だけど、この曲の中に

なかなか取り出せないビー玉のように閉じ込められた
「僕」が「君」に伝えたい本当の気持ちは、
そういった衝動とは一線を画すもののように思います。


この星に溢れてる光を集めて、永遠に君を照らすよ。

君のすべてを、僕の手で守り続けていくよ。


そんな想いのすべてをぎゅぎゅっと詰めこんだ、
もう僕のそばにいたらいい」という一言…

 

なんと不器用でかわいらしい、そして深い愛情でしょうか。


そう、これはもう「恋」じゃなくて「愛」。

例えば美しい景色を見たときあの人にも見せたいとか、
例えばおいしい物を食べたときあの人にも食べてほしいとか。

 

何かしてあげたい、慈しみたい、守りたい。

 

切ない程にそういう想いがこみ上げる

誰かを乗せて回っているから、

この星はこんなにも光に溢れて見えるのかもしれません。

 

 

end.